「さいたまトリエンナーレ2016」の参加作家、小説家の多和田葉子さんが、ドイツで最も権威のある文学賞のひとつ「クライスト賞」(1912年創設)を受賞しました。
日本人の受賞は初めてであり、外国人の受賞も非常に難しく、今回で2度目となります。
また、過去にノーベル文学賞を受賞した作家がいるため、ヨーロッパでは注目の賞です。賞の主催者団体によると「ユニークなドイツ語の使い方で新たな表現の可能性を示した」点で評価されたそうです。
18日、ドイツで行われた会見で多和田さんは「ドイツ語という言語はすごく簡単な単語と哲学で使われる単語が同じだったりする。日常的なことを言いながら、哲学的なことを語ることができる」と話しています。他言語間に横たわる、可視化されにくい同一性や微妙なズレを表現し、その難しさと奥深さをよくご存知なのが多和田さんだといえるでしょう。そのような多和田さんによる新作インスタレーション作品がここ、さいたま市でご覧になれます。
「さいたまトリエンナーレ2016」では、多和田さんによる、サイトスペシフィックな”文学インスタレーション”作品が3点発表されています。
《白熊の部屋》《さわれる文字の部屋》《L字の部屋》、すべて多和田さんの新作。自身初の挑戦となるインスタレーション作品がご覧頂けるのも会期終了までのあとわずか。この機会にぜひ、多和田さんの文学芸術世界をご堪能ください!
会場:旧民俗文化センター(岩槻駅周辺エリア)
鑑賞時間:10:00-18:00
多和田葉子さんの作品について詳しくはこちらをご覧ください。